アフリカ人女子高生一家、12回目の在留特別許可申請に挑む

　日本で生まれ育った在留資格がない外国籍の子供たちに斎藤健法相が裁量で特例的な在留特別許可を与える方針を示したことを受け、
在留資格のないアフリカ人の高校一年生の女子・アリスさん＝仮名（15）＝の一家は28日、
東京・品川の東京出入国在留管理局（東京入管）を訪れ、家族一体での在留特別許可を申請した。

◆薬剤師になり人を助けたい

　一家は過去11回にわたり申請したが、全て認められなかった。アリスさんは「今度こそ在留資格を認めてほしい。
家族みんなで安心して暮らしたい」と話した。

　アリスさんは日本で生まれ育った。今はアフリカ出身の両親、妹（12）、弟（5）と暮らすが、両親とも在留資格がなく、働くことができない。
父親の元勤め先の会社や知人の支援で暮らす厳しい生活状況だ。

　将来については「薬剤師になり人を助けたい」というアリスさん。「在留資格があれば夢をかなえられる」と話した。
　
◆過去の入管法違反、「知識がなかった」と父親

　特例措置は、日本で生まれ育った在学中の未成年が対象。政府は通常、両親も保護者として許可する方針を示している。

　一方、親に入管法違反や不法入国など「看過しがたい事情」がある場合は子ども本人も含めて許可しないとしている。

　アリスさんの父親は日本人女性と結婚し、もともと永住権を持っていた。2011年、酒気帯び運転などで執行猶予付きの有罪判決を受けた直後に、
姉の葬儀のためにアフリカへ渡航。有罪判決について申告しないまま日本に帰国したため、入管法違反とされ、永住権を取り消された。

　父親は「有罪判決を受けていた場合に入国を拒否されることを知っていれば渡航しなかった。
知識がなかったための違反で反省している。子どもたちのためにも許してほしい」と話した。（池尾伸一）

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