【札幌五輪】＜札幌市負担450億円→459億円に修正＞理解促進へ

２０３０年冬季オリンピック・パラリンピックの招致を目指す札幌市は１日、最大３０００億円の開催経費のうち、市有施設９カ所にかかる改修などの費用の内訳を毎日新聞の取材に明らかにした。市負担分は６カ所で４５９億円。市税を充てることから、市はイベントなどを通じて市民に理解を求める考えだ。【土谷純一】

　市によると、大会経費は総額２８００億～３０００億円で、このうち札幌市など各施設の所有者が負担する「施設整備費」が８００億円、大会組織委員会が負担する「大会運営費」が２０００億～２２００億円。

　市は１１月２９日に経費削減案を公表した際、８００億円のうち市負担分は４５０億円と説明していたが、１日の取材に４５９億円と修正した。市は立て替えや改修が必要な市有施設に計４５９億円を負担し、組織委は大会運営費の仮設費６００億円から計４９８億円を支出する計画という。市の施設に限れば、費用は計９５７億円で、市以外も合わせると計１４００億円となる。

　市は来年１～２月にワークショップやシンポジウムを開くほか、１９７２年札幌冬季五輪５０周年の記念事業などを通して市民に開催計画への理解を求める。北京五輪後の３月にも招致の是非を尋ねる意向調査を全道を対象に行う。市は調査結果について「招致の是非を決定するものではなく、今後の進め方の『参考』」とするが、ＩＯＣ（国際オリンピック委員会）は世論の動向を重視しており、重要な調査となる。

　市は２０１４年にも市民１万人を対象に調査しており、約半数が回答し、「賛成」「どちらかといえば賛成」は６６・７％と高い支持を得た。しかし、４９％が関心事に「費用面」を挙げ、今年の東京五輪で費用が当初計画から大きく膨らみ、五輪開催への世論は厳しさを増しており、招致の機運も盛り上がっていない。

　市の開催計画は、札幌ドームなどで関連工事も費用に含めているが、関連費用が追加発生すれば、批判が出るのは必至だ。秋元克広市長は１１月２９日の記者会見で、費用が膨らむかどうかについて「競技団体や関係者から要望もあると思うが、言葉は悪いが言いなりになることは避けなければならない」と述べている。

　◇市内の国有地、選手村に

　北海道財務局長の諮問機関である国有財産北海道地方審議会は１１月２９日、２０３０年冬季五輪・パラリンピック招致が実現した場合、札幌市豊平区月寒東２の北海道開発局月寒庁舎が建つ国有地約３万平方メートルを選手村として活用させるのが適当と答申した。

　市住宅課などによると、同庁舎は２６年度に同市南区に移転する予定で、市は庁舎周辺に点在している月寒団地の各棟を庁舎跡地に集約。選手村として活用した後、市営住宅にする。招致が実現しなかった場合、団地の建て替え計画は白紙とするという。

毎日新聞　12/2(木) 9:20
https://news.yahoo.co.jp/articles/01f44dd2b54bb192f55a8319a6c531989dd35821

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