【平和の祭典】東京五輪　イスラエルとサウジ　対立する国の柔道家も畳の上で向き合う

オリンピック 対立する国の柔道家 畳の上で向き合う

東京オリンピック8日目の30日、長年、政治的に対立してきた2つの国の柔道家が畳の上で向き合いました。

柔道女子78キロを超えるクラスの1回戦で対戦したのは、イスラエルの23歳、ラズ・ヘルシュコ選手と、サウジアラビアの21歳、タハニ・アルカフターニー選手です。

イスラエルとアラブ諸国はパレスチナ問題をめぐって長年対立していて、今大会前には男子73キロ級で、アルジェリアとスーダンの選手がイスラエルの選手との対戦を避けるため相次いで棄権する事態も起きました。

アラブ諸国の中心的な存在のサウジアラビアもイスラエルと国交を結んでおらず、女子78キロを超えるクラスの試合が成立するか注目されていましたが、2人は30日に日本武道館の畳に上がり、互いに向き合いました。

試合は、サウジアラビア代表としてオリンピックの柔道競技に出場する2人目の女性となったアルカフターニー選手に対し、国際大会での実績に勝るイスラエルのヘルシュコ選手が優勢に進め、開始1分44秒、背負い落としで一本勝ちしました。

試合後、礼をした2人は歩み寄って握手を交わし、勝ったヘルシュコ選手がアルカフターニー選手の右手を高く掲げてその健闘をたたえると、場内の関係者からは大きな拍手が送られました。

IJF＝国際柔道連盟は「2人の試合は、尊敬と友情を証明する大きな一歩となった。そしてスポーツがいかなる政治的、または外的な影響をも乗り越えられることを示した」とコメントしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210730/k10013171851000.html