【富山地裁】止められない「尻を触りたい」 痴漢繰り返す男に裁判官が聞いた「手の甲で触ったのはなぜ？」に男は…

ファミリーレストランの店内で女性の尻を触ったとして逮捕起訴された43歳派遣社員の男の裁判。男は過去3度も女性の尻を触った罪を犯していました。なぜ痴漢を繰り返すのか。弁護人も検察官も「なぜ」と問いかけます。そして裁判官は「手のひらより甲で触ったのはなぜ？」被告の男が法廷で語ったことは…。

富山県迷惑行為等防止条例違反の罪に問われているのは、富山市に住む43歳派遣社員の男です。

起訴状などによりますと、被告の男は去年3月午後3時前、富山市内のファミリーレストランの店内で、当時43歳の女性に対し、手で着衣の上から尻を触り、その後、出入り口付近で再び女性の尻を触ったとして「公共の場所において、人を著しく羞恥させ、かつ、人に不安を覚えさせるような行為」をしたとされています。

10月5日、富山地裁で開かれた初公判。裁判官から起訴内容に間違いがないか問われた男は「間違いありません、本当にすみません」と答えました。

検察側の冒頭陳述によりますと、男は入店後、レジカウンターで代金の精算をしていた女性を発見、“好みのタイプ”であったことから“お尻を触りたい”などと考えました。

そして、女性の後ろから尻に右手の甲を近づけて犯行に及びました。その後、男はトイレに行き、ファミレスを退店しようと出入口から外に出たところ、立ち話をしていた女性を発見、“もう1回お尻を触りたい”などと考えると、女性の後方から尻に右手を近づけて、再び犯行に及びました。

2度にわたって尻を触られた女性。被害の訴えを聞いたファミレスの店員が警察に通報し、男は逮捕されました。裁判では男が過去に3度罪を犯していることも明らかになりました。

男は過去にも女性の尻を触っていました。痴漢を繰り返していたのです。男の携帯には、ほかの女性の尻を映した写真が保存されていたほか、盗撮まがいの動画も多く残されていたといいます。

■警察から何度も警告…触られた女性は「厳しい処分を」

（略）

■「手のひらよりは甲の方がいいかなと…」

続いて検察側の質問です。

検察官：「なぜ女性の尻を触ったのか？」
男：　　「手の甲で触るのは大丈夫かなって」
検察官：「なにが大丈夫なのか？」
男：　　「全然大丈夫じゃないんですけど…
　　　　　手のひらよりは甲のほうがいいかなと。
　　　　　あとジャンパーを手に持っていた」
検察官：「手の甲のほうがばれないと？」
男：　　「そういうことも考えていました」

（略）

■検察を無視…男の理由は“ゴキブリ”

男は専門学校を卒業後、職を転々としていたといいます。犯行時は、派遣社員として介護現場で働くかたわら、日雇いのアルバイトをしていて、月の給与は多いときで22万円、平均で15万円ほどでした。生活保護も受給していて、月に自由に使える金額は7万円ほどだったといいます。

検察官：「住居の家賃はいくら？」
男：　　「2万5000円」
検察官：「滞納はしているか？」
男：　　「家賃を払っているときと払っていないときがあって、
　　　　　今は滞納している。半年間ほど」

また検察は、検察庁から男の自宅に2度にわたって連絡を送っていたにもかかわらず、無視していたと指摘しました。

検察官：「2度にわたり検察庁から通知がきていたはずだが、
　　　　　なぜ見ていない？」
男：　　「自宅のポストにゴキブリがいて…　
　　　　　自分勝手な理由で通知を見ていなくてすみません」

■裁判官「今後もよく考えないでしてしまうのか？」

最後に裁判官が質問します。

裁判官：「今回の事件で手のひらより甲で触ったのはなぜ？」
男：　　「警察沙汰にならないんじゃないかって」
裁判官：「なぜまた同じようなことをしたのか？」
男：　　「よくきちんと考えていなかった」
裁判官：「それだと今後もよく考えないでしてしまうのか？」
男：　　「それはない」
裁判官：「どうして？」
男：　　「今回のことを忘れずに病院に通う。公になっていないけど
　　　　　ほかにも触ったことはあった、
　　　　　それで相手の気持ちを考えずに触ってしまった」

被告人質問を終え、被告の男は席に戻るよう促されると大きな声で「すみませんでした」と裁判官、検察官、弁護人、傍聴人に対し、頭を下げて謝罪しました。第2回公判は10月13日を予定していて、結審する見込みです。

チューリップテレビ　2023年10月6日(金) 13:04
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/763252?page=6

触られても何とも思わないように女に魔法をかけてくれ