テレビマン「日本人は国別対抗戦が大好きなので、いざ五輪が始まれば盛り上がる」

■日本人選手の活躍が期待できるワケ
　そしてもう1つ、「選手たちを応援する」という各局のスタンスをさらに加速させそうな理由としてささやかれているのが、選手たちのハイパフォーマンス。
コロナ禍による1年の延期や開催反対などの逆境を経て本番にたどり着いた選手たちは、「ふだん以上の力を発揮するのではないか」と見られているのだ。

　週末のスポーツ番組を手がけるベテランスタッフの3人は、「感染予防対策や実戦不足などで、ふだんのオリンピック以上にコンディション調整が難しい分、
自国開催で得られる日本選手たちのアドバンテージは大きくなるかもしれない」と言っていた。

　また、通常なら自国開催ならではのプレッシャーに襲われるところだが、今回はすでに開催すら危ぶまれ、
批判も受けるなどの修羅場を乗り越えてきただけに、「自分のパフォーマンスを出し切ることに集中できるのではないか」という見方もあった。

　そんな選手たちの奮闘を見た日本中の人々も、オリンピックがはじまってみたら、「選手に罪はない」と応援に回るのではないか。

　もともと日本人はスポーツの国別対抗戦が好きな国民性で知られるだけに、「よほど重症者数や病床使用率が悪化しない限り、開催反対派も声を挙げづらい状況になる。
いや、そうなってほしい」と願っているテレビマンが多いのだ。もちろん地元で国民の応援を受ければ、さらに選手のパフォーマンスは上がっていく。

　東京オリンピックは、わずか17日間の開催であり、はじまったらアッという間に終わってしまうだろう。
もしかしたら日々、厳しい撮影ガイドラインでの仕事を強いられているテレビマンたちは「コロナ禍の重苦しいムードを吹き飛ばしてほしい」と祈るような気持ちなのかもしれない。