【青森】県内在住のコロナ感染女性、宿泊療養中に疎遠になった友人からの探りを入れるメッセージにうんざり

12/27(日) 11:29
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web東奥

　新型コロナウイルスに感染し、完治した県内在住の40代女性が26日までに取材に応じ、療養中の様子や思いを語った。女性は幸い重症化せずホテルでの宿泊療養で済んだが、精神的ショックは大きく、療養中の心ない詮索に心を痛め「どんなに予防をしても感染する人はする。周りの人が感染を疑われた際には興味本位で接するのではなく、気持ちを酌んで」と訴える。

　ある朝、女性は味覚と嗅覚がないことに気付いた。身近に新型コロナ感染者が出ていたが「マスクや手洗い、手指消毒も怠りなく対策していたのに…」と半信半疑だった。だが、PCR検査で陽性が確定、患者として新型コロナに向き合うことになった。保健所から感染の連絡を受け、言いようのない不安に襲われ「自分のせいで、家族や友人に感染が広がったら」と心がざわめき涙が出た。

　「泣いている場合じゃない」。2週間前からの行動を保健所に報告、確定診断のため改めて病院に向かった。順番までは車で待機している間「自分はどうなるんだろう」という思いが頭を巡った。基礎疾患もなく軽症との診断を受け、ホテル療養が決定。宿泊場所のビジネスホテルの部屋に入ると、急に現実味が増した。ホテルには日中だけ看護師が常駐し、夜間は医師によるリモート診断。帰宅の目安は発症から10日たって、その後72時間無症状が条件だという。

　薬の処方はなく、安静にして体力を消耗しないように努めるのみ。体温と血中酸素量を1日3回記録し、じっと時間が経過するのを待つしかすべがないのは、正直つらかった。療養中、同居の家族や、接点のあった友人たちが陰性だったと知らされた。良かったとほっとする一方、疎遠になっていた友人から感染の探りを入れるようなメッセージが頻繁に届いた。「こんな人だったっけ」。やじ馬根性にうんざりし、返信しなかった。

　ホテル住まいの間は3食弁当。自分で受け取りに行くが、空腹感はあるものの食欲はなく、食べても無味乾燥。清掃は入らず、自分で掃除、ごみ出しをして、本を読んで寝て、風呂に入って寝て、ごはんを食べて寝て。単調な生活の中で救いは部屋の窓からきれいに見える夕日だった。

　症状は悪化せず2週間近く経過。帰宅許可は出たが味覚、嗅覚は完全でない。職場にも迷惑をかけたと申し訳なく思うが、発症から1カ月は元の生活に戻れなかった。感染源は自分でないと信じてはいるが、よく分からず、モヤモヤは解消されていない。誹謗（ひぼう）中傷は正直怖いが「私の例が少しでもお役に立てば」と女性は語った。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e3e1427b6f41db2bfe61c7dfd2a79f46ab0e3445

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