【社会】 神奈川の海水浴場、今夏は8割が開設へ　県の設置指針緩和受け

毎日新聞 2021/5/20 05:00（最終更新 5/20 07:58） 1099文字

　新型コロナウイルスの影響で2020年に神奈川県内で一つも開かれなかった海水浴場について、この夏は設置者の約8割が開設に向けて準備していることが毎日新聞の取材で判明した。県が20年に比べ設置のハードルを下げたことが要因。湘南の海にコロナ禍以前の光景が戻ることになるが、県内では感染収束の兆しが見えない上に海水浴客が大挙すれば感染拡大の原因にもなることから、不安を抱える設置者もいる。

　毎日新聞が5月中旬、県内で19年に開設された25カ所の海水浴場設置者や自治体に21年夏の方針を尋ねたところ、19カ所が開設する方向で準備を進めていた。6カ所は検討中だった。19年に10万人以上の来場者があった片瀬西浜・鵠沼海水浴場（藤沢市）など7カ所は、「検討中」とした逗子海水浴場（逗子市）を除き6カ所が開設する方針だ。

　県は4月16日に沿岸の13市町と設置者にガイドライン（指針）を送付した。指針は原則毎年策定するもので、衛生面の条件などが明記されている。21年の指針には、海水浴場ごとに感染防止ルールを作成し、順守に取り組むことを盛り込んだ。指針にはルールの参考例も添えられ、利用者同士の距離を確保するよう呼びかけることなどが例示された。

　20年は1回目の緊急事態宣言が解除された後、海の家を完全予約制にするなどの対策を列挙した「厳しめ」（黒岩祐治知事）の指針を通知した。開設までの期間が短かったこともあり、県内全ての設置者が開設を見送った。

　今夏はほとんどの設置者が開設にかじを切った要因は、21年の指針が飲食店などに求めている一般的な対策と同程度に緩和されたことにある。県の担当者は「1年たって何に気をつければいいか分かってきたので、そこに焦点を当てた」と説明している。

「これで十分か…」不安の声も

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https://mainichi.jp/articles/20210519/k00/00m/040/365000c

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