【毎日新聞】武漢の帰国希望者なお140人　湖北省滞在者や中国籍の配偶者の対応も課題

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　武漢市以外に滞在する日本人は滞在地と武漢市の交通封鎖を二重に通過する必要があるため、武漢の空港までの移動手段が確保できていない。
外務省によると、湖北省内の16市州の駅や空港が封鎖され、車で10時間かかる地区も含まれる。

　中国籍の配偶者や子供については中国側との調整が難航している。
中国政府は感染拡大防止で海外への団体旅行を禁止するなど自国民の出国を規制している。
帰国を希望しながら武漢市に今も残る日本人の大半が、中国籍の配偶者らを残して帰国できないと判断しており、外務省幹部は「子供と親を引き離さないよう人道上の配慮をケースごとに求めたい」と話す。

　搭乗前の中国側の検査では、せきなどの症状があった日本人が第2便で2人（第3便で帰国）、第3便で7人、出国を認められなかった。
WHOの緊急事態宣言を受け、中国側が感染拡大防止のために検査を厳格化する可能性があるうえ、自国民の動揺を抑えるために外国からのチャーター機受け入れを制限する可能性も否定できない。

　外務省幹部はチャーター機の第4便の派遣は早くても2月4日との見通しを示す。
それまでに武漢市以外の日本人の移動手段確保などを目指す構えだが、中国側がこれまでのような受け入れ姿勢を維持できるかは見通せていない。

　一方、中国で事業展開する日本企業では、ファーストリテイリングが展開するカジュアル衣料品店「ユニクロ」は31日現在、感染者が多い武漢市がある湖北省を中心に約160店が営業を休止。
日本人社員については「帰国希望があれば、本人の意思に従って対応を検討する」（広報）としている。
良品計画は上海のグループ会社に約20人の日本人社員がいるが現時点で帰国させる予定はない。
伊藤忠商事やキリンホールディングス、アサヒグループホールディングス、JTなども中国全土を対象に駐在員を戻すかについては「現時点では未定」とし、状況を注視する構えだ。

【田所柳子、鈴木一生、本橋敦子】

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