【朝鮮日報コラム】今夏、東京で見たい克日 …「やればできる」の元祖は日本女子バレー

ユニクロを着てトヨタ車に乗ったら極悪な「土着倭寇（わこう）」のレッテルを貼られてしまう世の中だが、スポーツは依然として親日的だ。根性と軍紀を叫んで「やればできる」と選手を追い立て、メダルさえ取れれば拍手される文化。これは日本から来た。正確には、日本女子バレーの大松博文監督（1921－78）が広めた。

　大松監督は1964年の東京オリンピック女子バレー決勝で、当時最強のソ連を抑えて日本に金メダルをもたらした。小柄でずんぐりした日本選手がヨーロッパの巨人を制圧できた秘訣（ひけつ）は、監督自ら編み出した新技術「回転レシーブ」と「時間差攻撃」。機械のような組織力で勝ち進んだ日本女子バレーは「東洋の魔女」と呼ばれた。実情は、魔女と言うより獣に近かった。

　大松監督は1954年、大日本紡績（日紡）の実業団バレーボールチームを率いることになり、大阪工場の女工の中から選手を選んだ。特に田舎で農業に従事していた女性を好んで選んだが、その理由は、監督の言葉に絶対服従すると思ったからだ。日紡の選手は毎日午前7時から午後3時まで工場で働き、退勤後に体育館で翌日の明け方まで練習した。睡眠はたったの4時間。大松は「俺についてこい」と駆り立て、寮と練習場から鏡をなくし、髪は無条件にショート、食事は手早く取らせ、ミスをしたら罵声や殴打を浴びせた。休日も名節（民俗的祭日）もなく、反抗したらすぐに追い出した。そんな日紡バレー部は日本国内の大会を平定して日本代表になり、62年モスクワ世界選手権と東京オリンピック制覇までやってのけた。練習場に参観に来た人はいずれも「ここは地獄」と絶句したが、成績がいいので「名将」と仰がれた。（76年モントリオール五輪で銅メダルを取った韓国女子バレーも大松の特別指導を受けた）

大松の人生観は戦争が変えた。商業学校を出て日紡に入社した平凡な青年だった大松は、太平洋戦争が始まった1941年、ちょうど20歳で帝国陸軍に召集され、中国・パプアニューギニアなどに出征した。決定的な生死の分かれ目は、北インドのインパールの戦い（1944年3月－7月）。「弾がなくても戦うのが皇軍」と無謀な侵攻を押し付けた司令官・牟田口廉也のせいで日本兵5万人が餓死したインパールの戦いで、大松は生き残った。英国兵が捨てたたばこの吸い殻を拾って吸い、豪雨に打たれる白骨の山とうじ虫の群れの生き地獄から脱出した大松は「いかなる肉体的困難も精神力で克服する」「歴史は勝者のもの」「汗に血を加えろ」「勝つことが一番」と叫んだ。彼にとってはスポーツが、敗戦の恨みを晴らす手段だった。ソ連と試合をするとなったら「奪われた北方領土を思い出して敵を殺せ」と激しく追い立てた。こんな金メダルの方程式が韓国にも渡ってきて、体育の現場を青あざだらけにした。スピードスケート・ショートトラックの沈錫希（シム・ソクヒ）選手、トライアスロンの故・崔淑賢（チェ・スクヒョン）選手が告発し、バレーボールの李在英（イ・ジェヨン）－多英（ダヨン）姉妹のいじめ論争が示唆するように、韓国スポーツの成果至上主義と暴言・暴力の問題は現在進行形だ。

　オリンピックのメダルは国威を宣揚するが、「コリアはアーチェリーがうまいからいい国（金メダルだけでも23個」だとか「コリアは乗馬が下手だからおかしな国（メダルなし）」といったようなことを言う外国人に、これまで一度も会ったことがない。7月に東京で2度目のオリンピックが開かれる。感激であれ絶望であれ、選手の涙は見たくない。代わりに、後悔なく努力し、全て終わって心の中がすっきりした晴れやかなほほ笑みが見たい。順位がどうあろうと堂々と笑っている若者に拍手を送ってこそ、韓国人は変わる。これこそ「やればできる」ことであって、今年の夏に東京でぜひ見たい克日だ。

ヤン・ジヘ記者
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/06/19/2021061980001.html

「スポーツは依然として親日的」
さらっと嘘つくでないわ
いつだって反日だろ

韓国マスコミに相手への配慮って無えの？