【みいたん】美少女小学生パティシエの工房オープン　障害で一時不登校を乗り越え

近江八幡市の県立男女共同参画センターで昨春から定期的に「一日スイーツカフェ」を開いていた、同市の小学６年の杉之原みずきさん（１２）がパティシエを務める「みいちゃんのお菓子工房」が、今年１月下旬に同市上田町の住宅街にオープンし、人気を集めている。
みずきさんは「場面緘黙（かんもく）」という障害があるが、伸び伸びとお菓子作りに腕を振るっている。

　工房は木造平屋で一六・五平方メートルのこぢんまりとした造り。調理場と、すりガラスで間仕切りした販売コーナーを設けた。調理場では、管理責任者となっている母親の千里さん（４７）や父親の誠司さん（５３）が、下ごしらえに手を貸すことはあっても、仕上げはみずきさんと決まっている。

　ホイップクリームを混ぜる手の動きは滑らかで、口数が少ないことを除けば、障害があるとは見えない。千里さんは「自分の居場所と認識している所では症状が出ないんです」と語る。

　場面緘黙の子どもは、学校などで極度の不安や緊張から言葉が出ず、体を動かせなくなることもある。みずきさんは就学前相談で障害が判明。低学年までは通い続けたが、担任や級友が変わるなど環境の変化で症状が悪化し、四年の時に一時、通学できなくなった。

　自宅に引きこもった娘を社会から閉ざしてはいけないと、千里さんがスマートフォンを与えたところ、みずきさんは写真投稿アプリ「インスタグラム」で、好きだったケーキの写真を多く発見。触発され、自分もお菓子作りを始めた。

自作したケーキの写真をインスタに投稿すると、「いいね」と人気を集め、直接注文が舞い込むように。昨年四月からは、県立男女共同参画センターで月に一～二回、販売イベントを開いてきた。

　「将来の夢はパティシエ」と語るまでになったみずきさん。障害があっても「自分の城」があれば自立して働いていけるはずと考えた両親は、自己資金とクラウドファンディングで集まった資金で工房を建てた。

　工房は今年一月下旬にオープンし、開店日には買い物客で列もできた。インターネットでみずきさんのことを知った野洲市の会社員三ケ月いつ子さん（４５）は「娘を持つ同じ母親として、ぜひ応援したくて来た」。誠司さんは「反響の大きさに、親の私たちが驚いている」と語った。

　工房は当面、日曜に月一、二回営業する。みずきさんは、家族を通じて「このお菓子工房で、おいしいケーキが作れるよう頑張ります。みんなに笑顔を届けます」とメッセージを寄せている。商品は工房のホームページからも注文できる。

https://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20200318/CK2020031802000016.html

にみえた
死にたい

優秀なパティシエの卵だ。