激戦続くミャンマー東部カヤ州、「食糧も医薬品も足りない」と国際社会へ支援訴え

【バンコク＝藤川大樹】ミャンマー国軍と抵抗勢力との間で激戦が続く東部カヤ州で、多くの国内避難民が苦境にあえいでいる。2021年のクーデター以降、現地で避難民支援に携わるボランティアのクンヨーハンさん（26）は本紙のオンライン取材に「食糧や医薬品が足りない。国際社会の支援が必要だ」と訴える。
◆毎日戦闘機が飛び交う下で…膨れ上がる避難民
　国連人道問題調整室（OCHA）の8日の報告によると、ミャンマーの国内避難民は190万人に上り、カヤ州では10万人超が避難を余儀なくされている。
　クンヨーハンさんは国軍と、民主派武装組織「カレンニー国民防衛隊」や少数民族武装勢力「カレンニー軍」などとの戦闘が激しいデモーソー郡区周辺で支援を続けており、「デモーソーだけで50近い避難民キャンプがあり、3万人ほどの避難民がいる」と話す。キャンプを狙った空爆はないものの、現地では毎日のように国軍の戦闘機が上空を飛んでいる。
◆米の価格は1.6倍、寒さしのぐ衣服もない
　支援は、大半を日本やオーストラリアなど国外の同胞からの寄付に頼るが、避難民が多過ぎて間に合っていない。雨期に入り、下痢やマラリアで苦しむ避難民も増えているという。
　「一部の避難民に米を届けることしかできていない。寒さをしのぐ衣服も足りないが、そこまで手が回らない」とクンヨーハンさん。足元では米の価格が上昇しており、「数カ月前は米30キロあたり5万チャットだったが、今は8万チャットまで上がっている。すごく大変だ」と頭を抱えた。

東京新聞　2023年9月9日 20時11分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/276354